0831 8月27日(金)




「すみません、お仕事中に」
 俺は凜の手を引いて和也さんの職場を訪れた。和也さんは凜を見て驚いたようだった。
「何も変わってないのに、周りの空気が違いますね。若返ったようで……本当に」
「ねーおじちゃんーかずやくんはー?」
「和也さん。この凜が言ってる『かずやくん』…倉橋和也くんは貴方で間違いありませんね」
「はい……黙っていてすみませんでした」
 和也さんは深く頭を下げる。
「おじちゃんはタイムマシンで未来から来たんだけどね、実は和也くんも一緒に来てたんだ。それがこのおじちゃん」
「えー、ウソだー」
 ジロジロと和也さんの顔を覗き込む。
「ホントだ。ほっぺに三つ星ほくろがある」
結局、最初から凜は和也さんしか見ていなかったのだ。



コメント

タイトルとURLをコピーしました