自由詩 林檎 君のむくりんご、すきでこぼこで芯がのこっていてそんなところ、すきうさぎのつもりだろうに皮がそりかえって怒ったねこみたいなそんなところ、すごくすき私のきもちもきっと君がむいたらでこぼこにみえるのだろう、な私のおもいもきっと君がむいたらそりかえ... 2020.01.07 自由詩POEM
自由詩 初雪 いつだってそう君は私に付け入る隙も与えてくれない朝門灯に座っていた雪兎一晩中泣き明かした紅い瞳に震える心を幾つでもいくつでも押し込んで止まらない想いごと擦り切れたコートの背中飛び込んでやろうかいっそのこと君の手がこんなに暖かくなければよかっ... 2020.01.07 自由詩POEM
自由詩 陽炎の音 すり抜けて行くのは 心描かれた座標を一つ一つ確かめて器用に裏路地をすり抜けて行く甘く灼けた空に閉じ込めた在りし日の夢と思い出とうず高く積もった数え切れないガラクタと引き連れていつか ここに僕の元に還るように すり抜けて行くのは 心 通り過ぎ... 2020.01.07 自由詩POEM
自由詩 永遠 空でいちばんおおきな雲の下 ふたり すわっている せなか合わせに すわっている 聞こえるのは 風の音 それと 君のこころのおと ふたり 同時に不安になって ふたり 同時に疑った おたがいの想いを おたがいの姿を わたしは君に追いこ... 2020.01.07 自由詩POEM
自由詩 花火 たとえるならば それは きっと 花火のようなもの 果てない闇に 咲いて 消えて また花をひらく あの夏、 夜空に咲く 世界で一番大きな花 近くで見たくて 走った。 慣れない浴衣に 赤く咲いた花 おぼつかない足どり 君に手をひかれて 走った。... 2020.01.07 自由詩POEM
自由詩 静夜 外は雪 夜更かしの記録更新は 毎年決まってこの日 窓の鍵を開けて ストーブの前で 毛布にくるまって じっと わたしだけに微笑んでくれる 赤い服のおじいさんを 思い描いていた あの頃 何より大切だったものが どうでもよくなった そのかわり あ... 2020.01.07 自由詩POEM
自由詩 ひらり 彼女は、羽根だった 変わり者ばかりの美術学校の中でも 一際、目を引いた 誰よりも奔放で 気ままに笑っていた彼女は 掴もうとしても指の間をすり抜けて行く 白い羽根だった 可愛い制服を目当てに ハンバーガーショップで アルバイトをする私達の中で... 2020.01.07 自由詩POEM
自由詩 複写ー親愛ならぬ母様へ 言い訳もできない 嫌いな言葉は 「お母さんに似ているね」 十二の時から長すぎた反抗期 あなたと同じ丸顔に あなたと同じ低い背が嫌い 「平凡」の二文字に日々追われてる そんなあなたが嫌で選んだ 美術大学デザイン学科 気がつくと、 かつてのあな... 2020.01.07 自由詩POEM
自由詩 ふるさと それならば 私は 詩人にはなれない 詩人というのは 必ず 一度や二度は 故郷を憶う詩を書くもので そして、それはきまって 稲穂の光る田園だったり あるいは 路地の入り組んだ下町だったりするのだが…… それならば 私は 詩人にはなれない 私の... 2020.01.07 自由詩POEM
自由詩 きずな たとえば なんでもない想いが すれちがったり たとえば どうでもいい記憶が かみあわなかったり そんなとき とてもかなしくなるから とても とても さみしくなるから 君のこころと私のてを つよく つよく 結んでみる むつかしい君のきもちも ... 2020.01.07 自由詩POEM