POEM

自由詩

林檎

君のむくりんご、すき でこぼこで 芯がのこっていて そんなところ、すき うさぎのつもりだろうに 皮がそりかえって 怒ったねこみたいな そんなところ、すごくすき 私のきもちも きっと 君がむいたら でこぼこにみえるの...
自由詩

初雪

いつだってそう 君は私に 付け入る隙も与えてくれない 朝 門灯に座っていた雪兎 一晩中泣き明かした紅い瞳に 震える心を幾つでも いくつでも 押し込んで 止まらない 想いごと 擦り切れたコートの背中 飛び込んでやろうか いっその...
自由詩

陽炎の音

すり抜けて行くのは 心 描かれた座標を一つ一つ確かめて 器用に裏路地をすり抜けて行く 甘く灼けた空に閉じ込めた 在りし日の夢と思い出と うず高く積もった数え切れないガラクタと 引き連れて いつか ここに 僕の元に還るように ...
自由詩

永遠

空でいちばんおおきな雲の下  ふたり すわっている  せなか合わせに すわっている  聞こえるのは 風の音  それと 君のこころのおと   ふたり 同時に不安になって  ふたり 同時に疑った    おたがいの想いを    お...
自由詩

花火

たとえるならば  それは  きっと  花火のようなもの  果てない闇に  咲いて  消えて  また花をひらく  あの夏、  夜空に咲く  世界で一番大きな花  近くで見たくて  走った。  慣れない浴衣に  赤く咲いた...
自由詩

静夜

外は雪  夜更かしの記録更新は  毎年決まってこの日  窓の鍵を開けて  ストーブの前で  毛布にくるまって  じっと  わたしだけに微笑んでくれる  赤い服のおじいさんを  思い描いていた  あの頃  何より大切だっ...
自由詩

ひらり

彼女は、羽根だった  変わり者ばかりの美術学校の中でも  一際、目を引いた  誰よりも奔放で  気ままに笑っていた彼女は  掴もうとしても指の間をすり抜けて行く  白い羽根だった  可愛い制服を目当てに  ハンバーガー...
自由詩

複写ー親愛ならぬ母様へ

言い訳もできない  嫌いな言葉は  「お母さんに似ているね」  十二の時から長すぎた反抗期  あなたと同じ丸顔に  あなたと同じ低い背が嫌い  「平凡」の二文字に日々追われてる  そんなあなたが嫌で選んだ  美術...
自由詩

ふるさと

それならば 私は  詩人にはなれない  詩人というのは 必ず  一度や二度は  故郷を憶う詩を書くもので  そして、それはきまって  稲穂の光る田園だったり  あるいは  路地の入り組んだ下町だったりするのだが……  ...
自由詩

きずな

たとえば  なんでもない想いが  すれちがったり  たとえば  どうでもいい記憶が  かみあわなかったり  そんなとき  とてもかなしくなるから  とても とても  さみしくなるから  君のこころと私のてを  つ...
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