短詩

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短詩樹歌

すみません君を愛しているけれど米は洗って炊いてください   泡立てよ泡立て白くなれシーツウタマロ武器に死闘す早朝   看板を産直マルシェとした八百屋それでも私は買わないけれど   区役所の書類を前に手が止まる今年平成何年だっけ?   あなた...
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短詩華歌

美しさ、正しさ、自由を兼ね備え生きてる人など一人もいない   鴎外をいい男だと思うよになり不惑の歳迎えつつあり   南極のごとく冷えた店一人とんこつしょうゆを掻き込む女   通夜の場でスマホの音を切り忘れ不機嫌になる遺影の叔父貴   カナヘ...
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短詩雨歌

 言葉を紡ぎたいわけも 想いを残したいわけもなく 単に誰かと 話したかった     PAINTの 中に隠れた  PAINの字 見つけた翌朝 右手が痛いよ    封印した蛇口を軽く ひねったら 溢れ止めどない 言葉さらさら    そんなにも真...
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短詩晴歌

 晴天なり 今日から君を 愛することに 決めました    来ないなら 先に始めよう さぁ、皆の衆 存分に楽しみたまえ    いざ 尋常に 君を 愛す    そんな気もないのに そんなこと言う さぁさ、 覚悟はいいですか    多分 恋をして...
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短詩想唄

  原稿用紙3枚に収まる  恋物語  罫線の中  飛ぶ術もなく     君に毎年  おなじことばを  言える  そんな幸せもある     君に恋しなくてよかった  切なさも  喜びさえも  感じずに済んだ    素顔すら見たことのない  君...
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短詩心唄

待ち人をさがす  ショーウインドウの中  春よ  お前は今どこにいる?     牛丼屋にひとりで行ける  女にだけは  なりたくない  と思ってたのに     サボテンと  マリモ三匹  私ひとり  お手軽すぎる家族紹介     思い出は生...