かむがたりうた

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かむがたりうた 第零章「ヒミツ」

梭の手をやめ歌ふをきけば ——もつれた糸なら   ほどけもせうが   きれた糸ゆゑ   せんもなや。         竹久夢二「どんたく」 「ごめんな」  その言葉に、少女はぐったりと...
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かむがたりうた 第壱章「ヒト」

倭は 国の真秀ろば    たたなづく 青垣 山籠れる 倭し麗し         「古事記」中巻・景行記 ……………………………………燃える 燃える 燃える 燃える 燃える火 燃える炎 ...
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かむがたりうた 第弐章「ハジマリ」

君が往き 日長くなりぬ 造木の           迎へを行かむ 待つには待たじ         「古事記」下巻・允恭記  どこで何を間違えたのか考えてみる ...
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かむがたりうた 第参章「イエ」

われと来て遊べや親のない雀         小林一茶 天井を見て 一瞬別の世界かと 思った 「…………ああ、そうか」  うっすらと開いた目をこすりながら安は...
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かむがたりうた Another 第壱章「セイギ」

すべての人に関心のあることなんてあるだろうか?だれにでも、世界のどこに住んでいる人にでも、あらゆる人間に関係あることなんて、あるのだろうか?あるんですよ、親愛なるソフィー。         「ソフィーの世界〜哲学者からの不思議な...
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かむがたりうた 第肆章「カイコウ」

「ねえ。賭けをやりませんか?」 「賭け?」 「ええ。金の賭けですよ」 顔が赤黒く染まり、手がすこし慄えている。 「ぼくは火口を一周してきます」 「どうぞ」 「それでだ」 弁当の残りをトランクにしまいながら、丹尾は言った...
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かむがたりうた 第伍章「チカラ」

「人間は、正直でなければならない、と最近つくづく感じます。おろかな感想ですが、きのうも道を歩きながら、つくづくそれを感じました。ごまかそうとするから、生活がむずかしく、ややこしくなるのです。正直に言い、正直に進んで行くと、生活は実に...
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かむがたりうた 第序ノ壱章「エン」

雲雀は 天に翔る 高行くや          速総別 雀取らさね         「古事記」下巻・仁徳記 「素粒子理論の論文集?」 「はい、探してるんですけど、図書館にはなくて」 「持ってたかなぁ……河合...
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かむがたりうた 第陸章「ヤマイ」

「ワタシハ ナント イフ フシアハセナ モノデセウ。ワタシノ セナカノ カラノ ナカニハ カナシミガ イツパイ ツマツテ ヰルノデス」 ト ハジメノ デンデンムシガ ハナシマシタ。  スルト オトモダチノ デンデンムシハ イヒ...
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かむがたりうた 第漆章「ヤドガエ」

 待つ身につらき夜半の置炬燵、それは戀ぞかし、吹風すゞしき夏の夕ぐれ、ひるの暑さを風呂に流して、身じまいの姿見、母親が手づからそゝけ髮つくろひて、我が子ながら美くしきを立ちて見、居て見、首筋が薄かつたと猶ぞいひける、單衣は水色友仙...
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