0831 8月21日(土)




 待ち合わせは駅からすぐのホテルのロビーだった。義母のとりなしで段取りを組んでもらったおかげでスムーズに会えた。
東数弥は思っていたよりしっかりした人物だった。土曜日で仕事は休みと聞いていたのにスーツをきちんと着て俺に一礼した。
 しかし、その顔を見て俺はわが目を疑う。
「和也……さん?」
「はい、はじめまして。東数弥ですが?」
「えっと……そうじゃなくて、凜の同窓生に俺と漢字は違うんですが同姓同名の方がいて、その方とあまりに似ていまして……」
「ああ、かずやですね。この前三人で会った時も凜がしきりにそれを言って」
「三人で……会った?」
「ええ」
 言って東数弥は携帯の写真を見せてきた。そこには妻と数弥さんと和也さん、三人が笑って写っていた。



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