「どう……して……」
数日ぶりに妻の声を聞いた。
「分かったんだ！でも……俺はあの人にはなれないけど、俺なりに頑張るから……だから……もういいから……」
俺は声を押し出す。
「一緒に帰ろう」
「ごめん……なさい……」
「もういいよ……もういいから家に帰ろう。昔に戻るなんて、人間には無理なんだ」
妻はゆっくりと扉を開けた。
そうして、３１歳の妻は戻って来た。
しかし、何故その時の俺は考えなかったのか。どうして義父母があれほど自分を邪険にしたのか。そして、決まって８月３１日に戻る理由を。
翌朝起きた妻が言った言葉に目を見開く。
「あの……どなたですか？かず君はどこですか……？今日、サークルなのに……」
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