今日はバレンタインだ。
バレンタインといえば女子なら甘酸っぱい思い出の1つや2つあるとは思うが、私が一番思い出すのは小学4年の時だ。
私は当時井上くんという男子に片思いしていた。
井上くんは特に目立つわけでもモテるわけでもなかったが、明るい野球少年だった。
4年生の時、意を決してバレンタインチョコを渡そうと決意した。
親や祖母にバレるのは嫌だったので、スーパーで4年生にしてはかなり頑張った額のチョコを買った。
さて、どうやって渡すかだ。
おそらくどこの小学校でもそうだと思うが、学校にチョコを持ってきてはいけない。
こっそり持ってきたとしても面と向かって渡す勇気はない。
ウチの小学校は下駄箱がなかったし、教室のロッカーはさすがに他の子に見られる可能性が高い。
井上くんは放課後毎日野球の練習をしていたので、帰る時間も読めない。
そこで私は自分の名前は書かず「井上くんへ 好きです」とだけ書いたメッセージカードを添えて井上くんの家の郵便受けに入れた。
さて、翌日である。
井上くんはあのチョコを受け取ってくれただろうか。
ドキドキしながら男子の雑談に耳を傾けていた。
「おい、井上。お前チョコもらった?」
「1個もねーよ」
あれ?井上くん気を遣って隠してる???
「兄貴なんかモテるから学校でたんまりもらってるのに、郵便受けにまで『好きです』ってカードつきのチョコ入ってたんだぜー」
あー!!!
うん!!!!!!
井上くん、中学生のお兄さんいたね!!!!!!!!!!
完全に忘れてたけど!!!!
結構イケメンな!!!!!!
野球部のエースが!!!!!!
そりゃ4年生の弟宛だとは思わないよね!!!!!
その日から私は手紙にしろメールにしろ宛名をフルネームで書くことだけは忘れないようにしている←本日の教訓
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