花火




たとえるならば
 それは
 きっと
 花火のようなもの



 果てない闇に
 咲いて
 消えて
 また花をひらく



 あの夏、
 夜空に咲く
 世界で一番大きな花
 近くで見たくて
 走った。
 慣れない浴衣に
 赤く咲いた花
 おぼつかない足どり
 君に手をひかれて
 走った。
 照らし出された空
 突然の音
 驚いた君の顔
 二人見合わせて
 笑った。
 花に染まる髪
 二人同時に
 笑い出した
 あの夏



 いつも
 いつも願ってる
 この胸の中で
 咲いて
 消えて
 また花ひらく花火
 永遠にやむことのないように
 
 

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