アパートの話

ダンナさんの昔からの友達が愛媛から関西に引っ越してくると言うので、先週末ダンナさんが家選びに付き合っていた。

私は「〇〇さんに、まず家の条件の優先順位をランキングにしてもらって書き出して、それを不動産屋さんに見せるとスムーズに行くよ」と伝えた。

これは私のやり方なのだけど、まずハズレがない。

人によって「広くないと嫌!」「オートロックじゃないと死ぬ!」「駅から徒歩5分じゃないと生活できない!」逆に「いや、寝れたら広さは4畳半一間でも…」「男だし防犯にそんなお金かけなくても…」「車あるから駅から遠くても全然いいよ」と条件の優先順位は様々だからだ。

「そういえば、ぴよさんって家選びの一番の条件って何なの?」と聞かれた。

私はとにかく物や本が多いのである程度の広さ、できれば収納と、引きこもりなのでスーパーとコンビニが近いことだ。

ただ、初めて家を探す時に失敗したからでもある。

初めてアパート探しをしたのは大学入学前だったのだが、私は同じ大学に行く友達がいなかったので前情報なしに両親と不動産屋さんに行った。

不動産屋さんが言うには大学はめちゃくちゃ田んぼの中にあり、自転車で20分くらいのところに繁華街…というほどでもないがファミレスやコンビニ、スーパーが集まっていて大体大学生は街中に住んでいるというのだ。

一応田んぼの中にもアパートは何件かある、という話だった。

そこで私は大きな勘違いをした。

私はずっと神戸にいたので、自転車で20分=徒歩20分だったのだ。

神戸はとにかく坂が多く、というか平坦な道が全く無いというJ-POPの歌詞みたいな場所で、自転車はスポーツ用途以外では、急流下りのような危険行為をするか荷物を載せて手押し車のように使うためのものでしかない。

なので、普通の健康的な人は自転車というものを使わない。

使う意味がないからだ。

私は不動産屋さんが「自転車で」と交通用途を限定する意味がわからなかった。

自転車20分は手押し車20分だと思い込んだ。

その結果、大学から徒歩5分の田んぼの中を選んだ。

引っ越してから気づいた。

岡山…坂がない…!

坂が全く無い!!!

自転車でどこへでも行ける…!!!

自転車で20分の意味が初めて分かった。

大学に入って友だちができてからも「友だちの家が全員遠い…!」という悲劇に見舞われる。

逆に愛媛(四国も坂が少ない)から神戸に来たダンナさんは「神戸…坂怖い…坂ばっかり…」とうなされ、家探しする時に第一条件に「坂がない所!」という無茶振りをして不動産屋さんを困らせた。

申し訳ない…。

神戸に坂がない所はないんだよ。

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