POEM

短詩

短詩樹歌

すみません 君を愛しているけれど 米は洗って炊いてください       泡立てよ泡立て 白くなれシーツ ウタマロ武器に死闘す早朝       看板を産直マルシェとした八百屋 それでも私は 買わないけれど       区役所の書類を前に 手が...
自由詩

隔離病棟

少女は恋をし 娘になって 娘は愛知り 女になって 女は子を産み 母になる そして 母は 心を病んで 再び 幼いこどもに戻り
自由詩

わたしにはIQがない

わたしは中国語が分からない わたしはローマ帝国が分からない わたしは万有引力が分からない わたしは微分積分がわからない わたしは政党演説がわからない わたしにはIQがない だから わたしは きみのこころが わからない
自由詩

正しい

何を以て正しいと言うのか 何を以て私を正しいと言うのか 何を根拠に私を正しいと言うのか やめてくれ お願いだから やめてくれ 私を信じないでくれ 私を正しいと言わないでくれ 私が正しくなくなった時 あなたも正しくない人になってしまうから
自由詩

深夜徘徊

この街は24時間呼吸を止めない 一瞬たりとも呼吸を止めない 食べ物を山と積んだ車が コンビニの駐車場に飛び込む この街は24時間呼吸を止めない 一瞬たりとも呼吸を止めない 呼吸を止められない街の代わりに 夜空は息をするのをやめた 息の礫であ...
自由詩

沈む

風呂は危険だ 冷えた体温め 乾いた喉潤し 荒んだ心休め 棘な言葉消す そして、ひとたび 身を沈めれば 命をすぐに 消せるのだ
自由詩

わたしは冬が

ああ 冬が来てしまった 嫌な季節だ 空気は刺すように痛く 地面はぬかるむように重い 空は低く 草は枯れ みんな頭を垂れている 寒さは人を孤独にし 暗さは心を追い詰める 君の意見は聞いていない わたしは冬が 嫌なのだ
自由詩

犯人

悲しいことがあったという 悲しいこととはなんなのか あなたはけっして答えない ひどい人がいたという ひどい人とは誰なのか あなたはけっして答えない 私は名探偵になり 心を痛めた犯人を ものの見事につきとめる 悲しいことの元凶も ひどいことを...
自由詩

心を心として 語れるならば 命を命として 語れるならば 私は長い髪を切り 丁寧に結いピンと張り 弦の楽器で唄いましょう 月夜の砂漠を旅してる 吟遊詩人になって生き あなたの命を 語りましょう そして唄は永久(とわ)に生き あなたの命を 紡ぐ...
自由詩

青い鳥

私がそこにないものを 見えると叫びだしたなら 私が聞こえないものを 聞こえると言いだしたなら 私が何もない場所に 言葉を投げ出したなら その時はいっそ ひと思いに 私の首を絞めてください もしも抗ったのなら 私の前から 去ってください ただ...