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時差

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TEXT / 021

 フランスに留学していた

 友人は

 とんでもない時間に

 電話をかけてきたもので

 寝ぼけた声で応じる私に

 彼女は

 時計の目盛を数えてから

 あわてて謝ったりして

 そんなことが

 何度かあって

 そのうち

 彼女とは疎遠になった

 話を君にすると

 君は笑う

  じゃぁ、僕も

  外国に行ったりはできないな

 君も私も

 英語の偏差値は

 絶望的だったから

 その点はあまり心配ないけど

 笑顔を絶やさず

 虫も殺さない君と

 悪知恵と姑息さには

 定評のある私

 とりあえず

 天国と地獄の時差が

 どのくらいか

 分からない限り

 私は

 死ぬわけにはいかない

 君に言えばきっと

 また笑うから

 かなり切実な願いは

 自分の中に閉じ込めて

 とりあえず

 今は

 時差のない距離で

 君の隣を歩いている