すり抜けて行くのは 心
描かれた座標を一つ一つ確かめて
器用に裏路地をすり抜けて行く
甘く灼けた空に閉じ込めた
在りし日の夢と思い出と
うず高く積もった数え切れないガラクタと
引き連れて
いつか ここに
僕の元に還るように
すり抜けて行くのは 心
通り過ぎて行くのは 影
失くした過去は
いつの日かここに 集う
待っている
僕という
刹那にも満たない容物の存在を
聞こえるのは
僕の心を締め付ける
たったひとつの 陽炎の音