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陽炎の音

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TEXT / 003

 すり抜けて行くのは 心

 描かれた座標を一つ一つ確かめて

 器用に裏路地をすり抜けて行く

 甘く灼けた空に閉じ込めた

 在りし日の夢と思い出と

 うず高く積もった数え切れないガラクタと

 引き連れて

 いつか ここに

 僕の元に還るように

 すり抜けて行くのは 心

 通り過ぎて行くのは 影

 失くした過去は

 いつの日かここに 集う

 待っている

 僕という

 刹那にも満たない容物の存在を

 聞こえるのは

 僕の心を締め付ける

 たったひとつの 陽炎の音