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短詩雨歌


 言葉を紡ぎたいわけも
 想いを残したいわけもなく
 単に誰かと
 話したかった
 
 
 
  PAINTの
 中に隠れた
  PAINの字
 見つけた翌朝
 右手が痛いよ
 
 
 
 封印した蛇口を軽く
 ひねったら
 溢れ止めどない
 言葉さらさら
 
 
 
 そんなにも真実を
 映し続けてて
 疲れないかい?
 かがみよ鏡
 
 
 
 屍した魚貪り
 牛が肉塊喰らう
 どう叫んでも
 覆せぬもの
 
 
 
 嘘や矛盾を
 綺麗に斬り断つ
 君らも痛みは
 感じるだろうが
 
 
 
 泣けば晴れる
 ほど簡単じゃない
 ねぇ
 涙は枯れてはくれないよ?
 
 
 
  修復(リカバリー)/消去(デリート)/
  再起動(リセット)/強制終了(シャットダウン)
 機械の体が
 ほしいんですけど
 
 
 
 落ちることしか
 知らずに
 下へ下へと
 いっそ潔き
 砂時計の性かな
 
 
 
 「selection」を
 「淘汰」と訳す
 君は淘汰したのか
 されたのか
 尋ねることも叶わず
 
 
 
 あお あおい
 血の気の失せた顔をして
 世界はどこまで
 行けるのだろうか
 
 
 
 真っ白な紙が怖いから
 描くのだ
 埋めつくすため
 消し去るために
 
 
 
 詩にならない
 恋
 なんて
 要らない
 
 
 
 守る秘密も
 通う想いもなく
 口づけす
 「それって赤の他人じゃないの?」
 
 
 
 叩いた蚊
 痛みを感じたか
 想い馳せ
 君を存分
 傷つけた夜
 
 
 
 いざとなれば
 君を蹴落として生き残る
 くらいの覚悟は
 とっくにできてる
 
 
 
 小さな棘を
 優しく抜きつつ
 笑って君の心に
 ナイフを突き立て
 
 
 
 どれほどに
 私を好きか語る君
 ゴクロウサマデス
 イタミイリマス
 
 
 
 恋をしていなけりゃ
 生きても
 行けないような
 君と一緒にしないでくれる?
 
 
 
 望もうと望まざるとも
 さくらは桜
 生まれて死ぬまで
 サクラは桜
 
 
 
 そんな言葉に
 救われるなんて
 バカボンのパパの真似して
 「それでいいのだ」
 
 
 
 「そんなこと
  思っちゃダメでしょ」
 ねぇ
 そんなこと
 思っちゃダメでしょ?
 
 
 
 全力で走れよ、自分
  嘲笑(わら)われるのが
 怖くて
 人間やってられるか
 
 
 
 始めると
 長くなるけど
 いいかしら?
 姫と王子と
  小姓(わたし)の寓話(おはなし)
 
 
 
 こうなるともう
 誰でもいいみたいです
 神様
 私を愛してください
 
 
 目には目を
 言葉には言葉を
 君を容赦なく
 討ち負かしに行く
 霹靂の午後
 
 
 
 固めてた鎧を
 砕ける力を持った私を
 弱くなったと言う
 君がどうかしているよ
 
 
 
 綺麗事は綺麗
 だから意味がある
 きれいきれいに
 磨きまるめて
 
 
 
 君が描く
 私でなくても私は私
 文句があるなら
 さぁ言ってごらん
 
 
 
 神の赦しがなくては
 人は生きられないなら
 私とっくに
 この世にいない
 
 
 
 いまさらに
 傷ついた顔して
 どうしたの?
 勝気な私が
 好きなんでしょう?
 
 
 
 君との恋は
 お菓子のようで
 関係ないけど私
 甘いもの嫌いなんです
 
 
 
 陽の光は
 平等になんて
 ふりそそがない
 知った
 北向きの部屋の隅にて
 
 
 
 愛するも
 愛されるもなく
 ひとりぼち
 砂になるのを待ってる浜辺
 
 
 
 生き延びるための
  点滴(しずく)を見ながら心は
 死にたい死にたい
 泣き叫んでる
 
 
 
 蚊一匹ごときに
 振り回されている
 一人の夜を
 嘆く間もなく
 
 
 
 君は黒
 染まるなら
 黄でも赤や青でも
 相手は誰でも同じなんだと
 
 
 
 痛いんだよ
 私が捨てたものを後から
 なんて愛おしそうに
 拾うんだろう
 
 
 
 ドライアイを
 治すためとか
 無茶苦茶な
 泣ける理由を
 探し捜して
 
 
 
  SALTの
  "S"と"L"とを入れ替える
 最後の涙が
 塩っぱい理由
 
 
 
 入り口はひとつ
 出口はふたつ
 これなーんだ?
 君と私の恋でしょ?
 
 
 
 大人とは
 嘘を平気でつくもので
  "君を一生
  忘れはしません"
 
 
 
 出逢ってから
 ひとつ
 変わったことがある
 死ぬのが少し
 怖くなった
 
 
 
 分からないなら
 もういいよ
 これで終わりにしよう
 君はその程度
 だったってこと
 
 
 
 みっともなくても
 嫌われてでも
 君が好きだと
 泣けばよかった
 
 
 
 今さら叫んでも
 君が好きだ君が好きだ
 君が好きだ君が好きだ
 君が          好きだ
 
 
 
 言葉が溢れて
 しょうがないから
 今日は打ち止め。
 おやすみなさい。


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