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TEXT / 038

 大失恋から幾星霜

 それなりに

 紆余曲折も経て

 それなりの

 彼氏もできました

 遠い街へ引っ越す

 あなたに想いを告げた

 あの日から心が変わった

 ワケじゃないけど

 新しい彼はあなたとは違う

 背の低いよく笑う人です

 思い出は日ごと

 上書き保存

 置き換えられて

 今では私もあなたの瞳を

 時折思い出す程度

 でも

 ゴミ箱フォルダに入れた記憶を

 なかなか

 空にできるはずなくて

 私のようにあなたも

 他の誰かと寄り添いながら

 ふと仕事の昼休みに

 ふと天気のいい休日の朝に

 私の声を思い返してくれたなら

 どんなに素晴らしいことでしょう

 だって私

 忘れるために

 恋をしたわけじゃない

 ゴミ箱を

 空にできる日なんて

 来ないのも勇気と呼ぶのだと

 人を愛して知りました