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白色アイデンテティ

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TEXT / 024

 蝉よりも

 蚊よりも

 短き命よ

 こんな小さな

 白い命よ

 染み入る私の

 ココロの脆さを

 掘り返さないでくれないか

 夜半すぎの来客

 コンビニ嬢の友人が

 バイト帰りに

 差し入れてくれた

 袋いっぱいの

 期限切れ商品

 たった今まで

 ケースに並べられてた

 三角形の命は

 二十四時間の役目が

 終わると

 こうして

 タダのゴミとなる

 この海苔を作るのに

 一体どれだけの時間がかかった

 とか

 この梅干しは

 一体どんな梅の木だったか

 とか

 ましてや

 米一粒に七人の神様が

 とか

 この世界には

 さほど関係ないことらしい

 狭いベランダで

 曇った夜空を

 見上げて食べる

 さっき

 息絶えたはずの

 蝉よりも

 蚊よりも

 短い命を

 この街の

 ほとんどの人は

 こんな命は知らずに過ごす

 頼むからどうか

 淋しい顔を

 私に見せないでくれないか

 八十八円の

 白い命よ