0831
8月25日(水)
義母の了解を得て、俺一人の手に負えなくなるまで凜を預かることにした。
凜には俺は遠い親戚で夏休み最後の1日だけ遊びに行く、ということにしている。
どうせ毎日説明しなければならないが。
凜は7歳。いつ最後になるのか分からない。
「凜ちゃん、今日誕生日だね。何かしたいこととかほしいものとかある?」
「たんじょうび?」
凜は歳の割に大きな目をクリクリさせた。
「あー、りん、たんじょうびだー。夏休みの最後の日だとみんなわすれちゃうんだよー。ゆきちゃんもーみさちゃんもー」
手足をバタバタさせながら、しかし嬉しそうに笑って言う。
あれ?何か大事なことを忘れていないか?
しかし凜の次の言葉が俺の思考を遮った。
「かずやくんもー」