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十九

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TEXT / 013

  三つのとき

 父は知らない人だった

 仕事に追われる忙しい父は

 娘と顔をあわす暇もなく

 たまの休みにも幼い目には

 父は知らない人だった

  八つのとき

 父は怖い人だった

 私がわがままを言うと怒る

 いつしか私は父の前では

 顔色をうかがってばかりで

 父は怖い人だった

  十二のとき

 父は楽しい人だった

 大好きなお酒に酔うたびに

 時には酔っていなくても

 つまらない冗談を繰り返す

 父は楽しい人だった

  十八になって

 ようやく気づいた

 父は優しい人なのだと

 私よりも私の未来を読むのが上手な

 一番の理解者だったのだと

 私と父の関係は

 ゆっくりと育って行く友情のようで

 年を重ねるごとに

 印象もゆっくりゆっくり変わって行く

 片方が恋をすれば

 友情は壊れやすくなる

 と、ドラマでよく言いますが

 おとうさん

 私たちの友情は大丈夫ですか?

 私の大好きな人にいつか会ってくれますか?

 石投げつけたりしないでね

 あなたと同じくらいお酒と野球が大好きで

     同じくらい優しいやさしい人だから

 もうすぐ私は十九になります