話題作

鉄コン筋クリートを見に行って
あることを思い出しました。
あれは大学生の頃
「メトロポリス」という映画がありました。
原作　手塚治虫
監督:りんたろう
脚本:大友克洋　という
アニメオタクにはよだれものの
すごいキャスティングでした。
オタクの集まるデザイン科では
いつもこの映画の話題で持ちきりです。
そうオタクの間では。
ある日、突然の休講が重なって
ぽっかりと３～４時間、時間ができたことがありました。
同じ科目を履修してる友人と
「今から街に出て（学校はすごい田舎だった）
　メトロポリス見て帰ってこれるよねぇ」
「それいい！行こう！」
「でもあんな話題作、席取れなかったらどうしよう」
「う～ん、でもとりあえず行ってみようよ」
満席じゃないことを祈りつつ
二人で電車に飛び乗りました。
そして着いた映画館は
見事なほど人が
いませんでした。
ざーっと見渡しても私たちを入れても５人ほどです。
その瞬間悟りました。
オタクの話題作は
世間の話題作ではない。
なんでこんな話をするかと言うとですね。
鉄コン筋クリートを観に行く時
松本大洋ってだけで話題性バッチリなのに
声優はあんな豪華で
あんなＣＭをたくさんして
チケット取れなかったら困る！と
インターネットで座席の予約を慌ててしました。
ふぅ、これで安心。
次の回に回されるのとか絶対イヤだもんね！
そして嬉々として映画館に向かいました。
後は
察して
ください。
オタクの話題作は世間の話題作では……。
10人ほどしかいない映画館で
悟り直しました。
多分
またいずれ同じことをやるんだろうけど
とりあえず悟りなおしました。