あとりえ透明 あとりえ透明「水彩色鉛筆」 快晴だった。 見渡す限りの秋晴れだった。 「いー天気だねー。スケッチ日和ー」 『あとりえ透明』の最寄り駅から電車で三十分強。山道は無理だろうと言うことで、ケーブルカーで高台に上れる小高い展望台を選んだのは松島さんだ。 土日が仕事の俺と... 2020.01.08 あとりえ透明NOVELあとりえ透明
あとりえ透明 あとりえ透明「カラーチャート」 頑張れば報われるって、皆言っていた。 私はそれが正しいと思ってたし、今も思っている。 どうにもならないことなんてない。 「お呼び立てして申し訳ありません」 本当はもう二度と会うつもりはなかった。 でもこれが 「中条さん」 これ... 2020.01.08 あとりえ透明NOVELあとりえ透明
あとりえ透明 あとりえ透明「パレットナイフ」 「絵が美しい」という自分の名前が嫌いだった。 誰に言っても厭味だと思われるから言わなかったけど、あたしの絵は美しくなんかない。 両親が画商だった。家には仕事で手に入れた珍しい画材と貴重な絵で溢れ返っていて、小さい時から文字を覚え... 2020.01.08 あとりえ透明NOVELあとりえ透明
あとりえ透明 あとりえ透明「ラテアート」 「ともちゃん。あたしね」 「ともちゃんを利用したんだ」 「もうあたしを愛してくれる人はいないから」 「あたしには画材しか残ってないから」 「画材しか愛してくれないから」 「ねぇ、誰かあたしを愛してよ」 「絵美さん」 「いないよ、そんなの... 2020.01.08 あとりえ透明あとりえ透明NOVEL
あとりえ透明 あとりえ透明「 」 あたしの名前は、さわいずみ。 先月、小学2年生になった。 お母さんはきらい。しごとでいそがしいってぜんぜんあそんでくれないから。 お父さんもきらい。べんきょうしなさい、ばっかり言うから。 今日もピアノのかえりに一人であそんでいた。 ... 2020.01.08 あとりえ透明NOVELあとりえ透明