かむがたりうた

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かむがたりうた 最終章「コトバ」

隠処の 泊瀬の河の  上瀬に 斎杙を打ち 下瀬に 真杙を打ち   斎杙には 鏡を懸け 真杙には 真玉を懸け    真玉なす 我が思ふ妹 鏡なす 我が思ふ妻     在りと言はばこそよ 家にも行かめ 国をも偲はめ         「古事記」下...
かむがたりうた

かむがたりうた 後日章「ソシテ」

好きな人がいた。  黒く長い髪とおっとりとした物腰がとても印象に残る少女だった。  両親は音楽の高校を勧めたが、彼女を追って進学高校の普通科に進んだ。  高校に入ってすぐにバンドメンバーの募集を見かけた。  彼女の気が惹けるかもしれない、そ...