自由詩

自由詩

毒苺のはなし

のどのかわきを うるおそう  こころのきずを けしませう  ひとらのために あるものは  なにをおもうて いきていく  さみしさみしと まようのは  われもあのこも またおなじ  まよいまようて さけぶのは  われもあのこも またおなじ  ...
自由詩

これだから

スキと  ユウキは  すこし似ている  どうでもいいメールに  すぐに返事が来た時  ワガママな飼い猫が  君になついた時  君の腕まくらで眠る時  どうしようもなく  嬉しくて  幸せで  どうしようもなく  笑いがこみあげてくるから  ...
自由詩

フォルダ

大失恋から幾星霜  それなりに  紆余曲折も経て  それなりの  彼氏もできました  遠い街へ引っ越す  あなたに想いを告げた  あの日から心が変わった  ワケじゃないけど  新しい彼はあなたとは違う  背の低いよく笑う人です  思い出は日...
自由詩

てもちぶたさん

フリーターなんて言えば  それなりに  聞こえはいいけど所詮  休日不定  将来不定の  その日暮らしでやっている。  何も予定がない  火曜日  とか、が一番困る。  何度も読んだマンガを  めくりながら  今日することを  必死にぼんや...
自由詩

麒麟哀歌

別に  大したことじゃない  調べもの  インターネットで  キリンの資料を  何十枚も  集めて  並べて  眺めてる時  ふと思ったこと  別に  大したことじゃない  まして  詩になるようなことじゃない  けど   このキリンの模様...
自由詩

免許

それなりに  せつない  君がいなくなって  分かったこと、  と言えば  ひとりって案外  暇だって事くらい  持て余した時間を  使いきるために  気まぐれに  通い出した  教習所  これが結構  思ってたよりも  大変だったりして ...
自由詩

海物語

生まれる前は、タコ、だった。  そんなことを思っていたのは  もうずっと昔のこと。  どうしても手が足りなかった。  八本もあった手が  突然、二本になったのだから  ままごとしてても  おえかきしてても  「手がせめてもう一本あれば」  ...
自由詩

ひとり

百円ショップで買った  野菜の栽培セット  ペラペラの説明書  最後に小さな小さな字で    芽が出たら    適宜間引いて下さい  とりあえず三本残してみた  君と  私と  君の愛するあの人と  この世に三人だけ  残されることを考える...
自由詩

捨て鉢

彼氏もない  お金もない  こんなに晴れた  土曜の午後にも  予定などありやしない  そんな日だから  財布も持たず  コンビニまで散歩に行く  そんな日だから  目につく  ゴミ置き場に忘れ去られた  小さな小さな植木鉢  捨て鉢  拾...
自由詩

ヒーロー

正義の味方になりたかった。  弱いピンクなんかじゃなくて  かっこいいレッドになりたかった。  地球を狙う宇宙人と  合体ロボットで戦いたかった。  テレビの前で叫んでた  女レッドの今の敵は  疲れるバイトと  減ってく貯金と  風呂の水...