初雪




いつだってそう
君は私に
付け入る隙も与えてくれない




門灯に座っていた雪兎
一晩中泣き明かした紅い瞳に
震える心を幾つでも
いくつでも
押し込んで
止まらない
想いごと
擦り切れたコートの背中
飛び込んでやろうか



いっそのこと
君の手が
こんなに暖かくなければよかった
そうすれば
凍えた手を温める吐息が
私の名を囁く唇が
冷たく抱き締めても
気にもならないはずなのに



いつまでたっても消えない雪
赤い指でつかみながら
繰り返す
手探りで確かめる
癒されなかった傷
君がまだ
私の掌中にいることを


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